<LYBRO>TRACK SMOCK
イギリス英語のRACETRACK(サーキットの別称)にちなんで名付けられたTRACK SMOCKは、1950年代のF1メカニック(ピットクルー)のワークウェアから着想を得て作られました。
一刻一秒を争いつつ、時速100kmでピットへ滑り込んでくるマシンと作業を行うピットクルーの仕事は危険と隣り合わせです。一切のミスや無駄な動きも許されない環境下では、ウェアにも機能性と無駄のないデザイン、そして耐久性が求められます。
チームの裏方としてドライバーを支え、共に世界中を飛び回る一流メカニック達。彼らのスケジュールは常にレースの準備やマシンの整備で埋まっており、一年の半分以上は家に帰ることができないほど過酷です。
F1ことフォーミュラ・ワンはフランスで始まったモーターレース(Grand Prix)、また英国王室の庇護の下で育まれていたモータースポーツを起源とし、ヨーロッパでは伝統的な文化として認識されています。
世界選手権の最初のレースは第二次大戦後、1950年にイギリスのシルバーストンサーキットで行われました。1947年、空軍飛行場の跡地に建設されたこのサーキットは、三角形をした3本の滑走路がそのままコースとして使われています。
スモックには所々ミリタリーの要素も取り入れられています。
大きなフード、ボタン式の袖口、ドローコードのウェスト部分やプルオーバー仕様の前タテ部分はスイス軍山岳部隊のスモックに見られるディテールです。
ゆったりとしたシルエットは、かつて軍服の上から着用するものをモデルにしているため、ドロップショルダーに近いオーバーサイズ仕様となっています。
両胸部分に搭載された深さ23センチの大容量のベローズポケットは、ビンテージの米軍海兵隊のウェアから採用しました。
すでに着慣らしたかのような経年変化の味わいは製品染めによって実現されました。生地の状態から染める先染めと比較すると、すでに縫製された状態で染める製品染めは色ムラが生じやすく色落ちもしやすいので、一点一点に独特の風合が生まれます。着用する度にさらにそれを育ててほしいという想いが、このスモックには込められています。