第2次大戦中の傷病兵の為に設計された、身体への負担が少ないジャケットがデザインのベース。外出時のジャケット着用はどんな時も礼節を重んじる英国らしい思想に基づいています。ファブリックは程よい厚みを持ちながらも肌当たりの柔らかなフレンチリネン(亜麻)生地。紀元前3000年頃の古代エジプト文明において衣服やミイラを巻く包帯としても使用されていた亜麻布は、人類の歴史の中でも最も馴染みのある素材とも考えられます。フレンチアルプスから湧き出る清水に亜麻を晒し、ふやけた皮の中から繊維を取り出し、紡いで糸にするまでの長い工程には現代の技術革新も及ばず、古くからの自然に任せた製法が今日も守り続けられています。変わりゆくもの、変わらないものが共在する、ナイジェル・ケーボンらしい一着です。