<NIGEL CABOURN>
UTILITY JACKET - 7.5oz DENIM +CHAMBRAY
基地で軍務にあたる兵士のためにつくられたシャツをベースに、時代の異なる3種類のシャツをミックスしたユニークなデザイン。
7.5オンスデニムとシャンブレーで仕上げたユーティリティジャケットです。
上部は1940年と1943年のユーティリティーシャツのデザインを組み合わせています。
当時のファブリックの設計は元々意図したものではなく、戦時下のデニム工場で場当たり的に誕生しました。
ワークウェアとして大量生産すべきファブリックでしたが、物資そのものの不足、供給の不安定さにより同じ太さの番手の糸の入手に苦しんだということです。
経糸はある程度まとまった量の同番手の糸をセットする事が織物業界の常識でした。
デニムの生産は急務であったために、デニム工場はやむを得ず、手に入る異番手、すなわち太さの異なる経糸を、入荷した順にランダムにセットして生産を行いました。
この極めて特異なデニム生地は、戦時下のある特定の工場で生まれ、物資の安定した戦後にはすぐ消えてなくなりました。
本ファブリックは、5番、6番、7番とそれぞれに微妙に、しかしはっきりと異なった太さの糸を完全にアトランダムにタテに掛けています。見た目では判別のつかない糸を規則性なく掛けるという作業は、現代においては非常に時間と手間のかかる困難な工程です。
起伏に富んだファブリックは着込む程に、その起伏に応じて経年変化を起こしますので、世の多くのデニムとは全く異なります。
下部は1970年代のユーティリティシャツをベースにシャンブレーで切り替えています。
『本当にビンテージで存在したら』という想定の元に、それぞれの時代毎にパーツを縫い合わせ、通常とは異なる縫製手順で仕上げています。
ストーリーとプロセスにこだわったナイジェルならではの逸品です。